君に告げよう
クラスメートの間に動揺が走り、全員が一斉に僕の方を見た。

張り詰めた空気の中、無言で視線を交える僅かな時間。


なんだよ。

さっきまでの勢いはどうしたんだよ。

金持って来いって言いながら、思う存分殴っていたくせに。



「結崎姉弟にバレたらやべぇぞ、おまえら」

「軽く済んで病院送りかなー?」



不良グループは、笑いながら茶化す。

現実をやっと知ったクラスメートたちは呆然とした顔つきのまま、黙って屋上を去って行った。

クラスメートの後を追うようにして、僕も屋上を後にしようとした時、不良グループのリーダー格の男が声をかける。



「なぁ、竹島。おまえも反撃しろよ。あんなヤツら、どうってことねぇだろ?」

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