君に告げよう
「……かんな?」
机の引き出しをゴソゴソと探る姉さんの背中。
永輝くんが呼びかけても、一切反応しない。
やがて引き出しを探る手がピタリと止まり……。
カチカチという嫌な音が沈黙を破るように聞こえてきた。
「……イヤよ。そんなのイヤ……。『仲間』の一人だなんて……」
そう呟きながら姉さんは、自分の右手を前後に何度も動かした。
最初は何をしているのか、僕にも永輝くんにも分からなかったけれど……。
――ポタポタと滴り落ちる赤い液体。
状況をすぐに呑み込んだ僕と永輝くんは、同時に声を上げた。
「かんなっっ!!」
「姉さんっ!?」