君に告げよう

「……――」



少しでも僕を安心させようと、永輝くんは口角を無理に上げるけれど……。

辛そうな瞳と、やるせない表情が永輝くんの心境をさらけ出していた。



物心ついた時からずっと一緒にいた永輝くん。

僕だから分かる、その表情の意味――。


――自業自得……。

大きな過ちを犯してしまった。

姉さんを追い詰めてしまった。



『永輝がハンパなことやってるから……』


永輝くんと目を合わせたままの僕は、優美ちゃんの言葉をぼんやりと思い出していた。


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