君に告げよう
「姉さんを……説得してみる……」
「……第三者が首つっこんだら、余計に追い詰めることになるぞ」
「じゃあ、どうするんだよ」
「……とりあえず、かんなが落ち着くまではそっとしておいた方がいいかもしれない」
こういう時はいつも、自分がまだ子供なのだと思い知らされる。
僕の意見なんて一つも通らなくて跳ね返されるばかりで……。
永輝くんや優美ちゃんとの年の差なんてそう変わりないのに。
なんでこうも僕は、ちっぽけで、役に立たない人間なんだろう……。
「遼太郎」
「………」
優美ちゃんが僕の頭をぽんぽんと軽く叩く。
いつも何かと激しい突っ込みと蹴りを入れる優美ちゃんだけど、僕がどん底まで落ち込んでいる時は優しい姉のような一面を見せてくれる。