君に告げよう
*未練と依存*
姉さんとの一件があったその日。
僕は結崎家で、優美ちゃんとともに永輝くんの帰りを待ち続けた。
「――うん。どうせ冬休みだし……。永輝くんともう少し話したいんだ」
家で僕の帰りを待つ母さんに初めて嘘をついた。
永輝くんの退院祝いで盛り上がってるから、このまま泊まる……って。
僕の目の前で流された姉さんの血。
顔色ひとつ変えずに冷静に姉さんと向き合う永輝くん。
母さんに嘘をつきながら、あの情景がフラッシュバックした。
永輝くん……。
これからどうするんだろう……――。
日付を変わっても、永輝くんが帰って来る気配はなかった。
ずっと待ち続ける僕を睡魔は容赦なく襲ってきて、深い欠伸が自然と口からこぼれた。
優美ちゃんはそんな僕に眠ることをいつもの調子で強制し、永輝くんが帰ってきたら起こすことを約束してくれた。