君に告げよう
優美ちゃんの作った朝食を三人で食べた後、永輝くんは「少し寝るから」と言って部屋に戻って行った。
優美ちゃんも今日は用事があるとかで、僕はしかたなしに結崎家を後にする。
このまま真っ直ぐ家に帰っても良かったけれど、僕の足は自然と伊地知の家に向かっていた。
一人になると色々考えてしまって、「暗い顔をするな」と言った永輝くんの気持ちに応えられそうにもなかったから。
だから、伊地知の家に行って、くだらない話でもして笑っていようと思ったんだ。
――それに……。
親や学校の目が届かない冬休み。
葛城たちが、どう出るか気になったから……。
「……竹島くんっ!?」
連絡もなしに、しかも朝っぱらからやって来た僕に驚いた伊地知は声を裏返す。
「……悪いな、朝っぱらから」
「ううん、大丈夫だよ。でも、どうしたの?何かあった?」