キミと私の理想論(短編)【完】
『…っ…』
言い返せないのがよほど悔しいらしい千歳は、私を睨み付けている。
…ふふふ、勝った!
未だにバチバチと火花を散らす私たちを見兼ねたのか舞花が止めに入る。
『まぁまぁ、2人が仲いいのは十分わかったから…ね、崇?』
タカちゃんにそんな同意まで求める始末。
『あぁ、どうせなら付き合えばいいのにな…』
タカちゃんも舞花に同意してコクリと頷く。
『…絶対ない…オレのタイプは、かわいくて、優しい家庭的な子なんだよ!コイツは、1つも当てはまってねぇ…付き合うなら舞花ちゃんのほうがいい!』
じろりと私を横目で睨みながらそう言うと千歳は、私を見てニヤリと口角をあげてきた。
む、むかつく…
『失礼な!私だって私よりかなり背が高くて、クールで優しいイケメンがタイプなの!千歳なんかないない』
私も負けじと言い返す。