キミと私の理想論(短編)【完】

*理想と現実


*理想と現実



『…はぁ…』



私は、もう何度目かになるため息をついた。




舞花とタカちゃんは、さっさと帰ってしまい、きっと、今頃、イチャついているに違いない。




まぁ、私もそんな2人の間に入るほど野暮な女ではないので、とりあえず、ゆっくり鞄を持って立ち上がった。





『…なんだよ?帰んのか?』




訝しげに私を見る千歳に私は、呆れたような目を向けると、





『帰る…』




それだけ言い残し、教室のドアまでトボトボと歩き始める。





『…沙織、お前、まだ崇のこと引きずってんのか??』





ピタリ




私は、千歳のその言葉に固まった。




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