キミと私の理想論(短編)【完】
ワタワタと慌てる私に、
『ちょっと待ってろよ!どうせなら一緒に帰ろうぜ?』
千歳はそれだけ言い残すと鞄をとりに自分の教室へと戻っていく。
『ちょっと…?』
な、何?一緒に帰ろうって…千歳頭大丈夫かな?
入学してから千歳とこんなにフレンドリーに話したことは一度もない。
てか、千歳がモテるのがちょっとだけわかった気がする。
…アイツ、顔だけはいいんだから…
爽やかに笑う千歳は、素直にカッコいいと感じてしまった私。
私は、もう一度深いため息をつくと、教室のドアをくぐった。