キミと私の理想論(短編)【完】
『…なんなのさ、デレデレしちゃって…』
なぜだろう?さっきから千歳のことに対し、無性にイライラする私がいる。
…あんなやつ、大嫌いなはずなのに…
『…ムカつく…』
ポソリ私がそう呟いた時、
『…何が?』
ビクッ
…ま、まさか
そう思っておそるおそる隣を見ると…案の定、そこに立っていたのは、不機嫌そうな顔をした千歳だった。
『あ、あら?おはやいお着きで…』
そう言って、あはは、と苦笑いを浮かべる私。
そんな私の腕を千歳は掴みながら、
『何に…ムカつくって?』
ジッと私を見つめながらそう問い掛けてきた。