キミと私の理想論(短編)【完】
『…千歳の理想は…かわいくて、優しい家庭的な子なんじゃ?』
『…んなの、理想だっつの!…現実はお前みたいなの好きになるし、オレ、マジどうかしてんのかもな』
ふっと、意地悪く笑う千歳。
うん、これがホントの千歳だ。
『あ、あんたね…さっきのドキドキ返せ、バカ!!てか、あんたよくも私のファーストキスを…』
そこまで言って私は、後悔した。
…やばい…
そう思って、おそるおそる千歳を見ると、不適な笑みを浮かべている姿が目に入った。
『ふ〜ん?ドキドキしたんだ?てか、ファーストキスなんだ?』
なぜか嬉しそうな千歳。
私は、だんだん恥ずかしくなってきてフイッと、そっぽを向いた。