いち恋
教室に着いたのはホームルームが始まる
少し前だった。
「はぁ~、ギリギリセーフ~」
「まったく・・・お前さ、ほんと
走るの遅いな~」
「しょうがないじゃんっ!
翔君は運動部だけど、私は
ただのマネージャーだもん。」
「ははっ、まあ、確かにそうだな。」
そう、翔君は水泳部でしかもすっごい速い。
それに、翔君は今年から水泳部のキャプテンだ。
それに比べ、
私はただの水泳部のマネージャーだ。
「優愛!おっはよー!」
そのとき突然後ろから親友、杏里が
抱きついてきた。
「わっ!あ、杏里~!おはよ~。」
「まったく、朝から早々ラブラブですね~
お二人さん~。」
「はぁ?誰がこんな奴とラブラブだよ?」
「そうだよっ!!」
「まあまあ。二人とも息ぴったり~
やっぱ仲いいじゃん~」
杏里は私たちをからかうように言ってくる。
「おい、広瀬!いい加減にしろよ?」
翔君はからかう杏里に少し苛立っていて、
なんかちょっと面白い。