いち恋
だって、今まで通りじゃいられなくなる
よりは、私の気持ちを伝えないで
いるほうがまだマシ・・・



はぁ~・・・・

私っていつまでこんなこと考えてるんだろ。
自分が嫌になるよ。


翔君のことはもう、忘れないと・・・・


でもそんなこと、もうずっと前から
気づいてた。

頭では分かっているつもりなのに・・・

どうしてなんだろう・・・




それに私には・・・


「ねえねえ、優愛ちゃんってさ~
もしかして蓮斗先輩と付き合ってるの?」


突然前の席の子が聞いたきた。


「えっ、あ・・・ああうん・・」


「やっぱり~!あたしこの前デートしてる
とこ見ちゃったんだよね~」


「そうなんだぁ~」




そう・・・私には彼氏がいる。

相手は元水泳部キャプテンの
北山蓮斗。

今高校一年生だ。

部活が一緒だったから、私が中1のころから
けっこう仲が良くて、話も合った。


そして、去年先輩が卒業するときに
告白された。


「あのさ、俺・・優愛のこと
ずっと好きだった。
付き合ってくんない・・・?」


そのとき、頭の中には翔君のことが
浮かんだ・・・


他の誰かを好きでいるまま付き合うのは
先輩に対しても失礼だと思った。

だから・・


「ごめんなさい・・・・
私、他に好きな人がいるんです・・・」


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