海の花は雪
深谷君が少し考えてから、小さくうなずいた。

「あの〜戸川先生?これ、なんとかなりますかね?」

山形さんが質問した。

「どうですかね〜今のところ分かりませんが、もし本当に私が、゙ルド゛だとしたら…」

修子ちゃんは写メを撮りながら、そこで言葉を止めた。

「…もしくは…ハッキリ分かっている事は、のんびりしている状況では、ないという事ですね…」

「え?それは、そうだけど…どうして?修子ちゃん」

「人に見られたら最後…現代におけるミステリーとして、研究のかっこうの的にされますよ、これは…そうなったら、もう深谷君の穏やかな日常は、なくなりますね〜」

「ちょ、ちょっと修子ちゃん、何言い出すかと思えば…しかも、何か楽しげだし…!」

深谷君が写メを撮られながら、うつむいて固まってしまったじゃないの…

「え?やですね〜生島君。私が学会に送ったりする訳ないじゃないですか〜」

ほほほと笑うその顔が、ナゼか信用出来ない…
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