海の花は雪
「あははは、こんな大きな大人と、しかもヤローと寝るシュミはありませんよ〜」

真剣に語っている山形さんがおかしくて、笑い出してしまった。

「ね?深谷君」

「…」

同意を求めた深谷君の目は、笑っていなかった。

いや…いつも笑わない子だけど…

「…山形さんが冗談ばかり言うから、深谷君あきれちゃいましたよ」

「あれ?冗談じゃないよ?僕は真剣に生まれ変わって、もう一度フレアに会ったら、結婚しようと思っていたからね〜」

「それは残念でした〜オレ男ですから〜」

「いやいや、フランスに行けば結婚出来るって、知ってた?あっちは市民権もあるし〜♪」

「いやいや、オレ遺言で、日本から出たらいけないって、ばーちゃんに言われてるからムリです」

ははは…と笑って、山形さんの言葉を受け流した。

男に口説かれるのは、初めてじゃないけど…

いまいち、どこまで本気で言っているのか、分からない人だなぁ…
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