海の花は雪
「おいおい、マジでかい?君は良かったの?それで」

「ええ、ここ離れたくなかったし、ちょうど良かったですよ」

「ふ〜ん」

少し酔いが回ってきたのか、機嫌良さそうに山形さんは話を聞いていた。



時計を見ると、夜の9時半を回っていた。

山形さんをアパートに連れて来てから、簡単な夕食を済ませ、それぞれシャワーを浴びて一息ついたところで、他愛のない会話に花が咲いた…

「しかしハル君、君やっぱりフレアだよ〜だって花だらけじゃん、この部屋〜」

山形さんが部屋を見渡して、陽気に言った。

部屋の至る所に置かれた観葉植物や、鉢植えの花達の事を言っているらしい…

「え〜深谷君と同じ事言わないで下さいよ〜フレア違いますって〜」

「いやいや〜もう決定?フレア〜どうして君は男なの〜?」

「はははは…違いますって〜抱き着かないで下さいよ〜」

からみついてくる山形さんを引きはがしながら、だんだん愉快な気分になってきた。
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