海の花は雪
「〜やるな〜深谷君…」

「深くツッコまないでくれると助かる…」

「いや、ほめてるんだよ…で、どうすればいい?深谷君」

「…まず問題なのが、この魔法を使いこなせるかどうか…いや、ここまで来たら信じて実行するしかないけど…ただ魔法は、誰でも使えるとは限らないらしい…本には素質がないと呪文が合っていても、発動しないと書いてあったから…」

「なるほどーじゃあ実験出来る何か、容器があるといいねー」

ハルは部屋の中を探し始めた。

シャワールームには、バスタブはなかったし…洗面台に水をためるというのは、どうだろう?

そんな事を考えていると、ふとある事に気づいた。

もう一つ、確かめなければいけない事を忘れているじゃないか…

脱出経路の確保…この部屋から出られなければ、魔法が使えたとしても意味がない。

自分は本の内容を思い出す事に集中した。

確か入る時が、扉を3回ノックだから、出る時は…

考えるより、やってみた方が早い。

右手の扉の前に立ち、試しにノックしようとした。
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