海の花は雪
生島君の真剣な表情の向こうで、山形さんが必死に、さんご礁のすき間に手を入れている様子が目に入りました。

ああ…中に入るには、登録した人物しか入れないようになっているんでしたっけ…

「…私がやってみましょう…」

フラフラ近くと、山形さんと代わり、私はさんご礁のすき間に手を入れました。

…すると、さんご礁のすき間の向こうが明るく光り、何やら反応があったようです…

「…高田さん…あなたは、いったい…」

言葉もなく、ただ驚きの顔で私を見ている生島君と「誰ですか?」と問いかけてくる山形さんの隣で、入口は静かに横へと開いて行きました。

「さぁ…」

…いったい私は誰なのでしょうか?ねぇ、先生…

私は、ここにいない戸川先生に、たずねていました…

私は…私は…?
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