海の花は雪

「…戸川先生？…本当に？」

「はい…ご心配をおかけしました」

修子ちゃんは高田さんのそばまで近づいて、かがむと手を差し出した。

高田さんは夢でも見ているんじゃないかといった感じで、その手を取って立ち上がると、修子ちゃんを凝視した…

「…本物ですか？これは夢ではないですよね？」

「ええ、本物ですし、現実ですよ〜？ですから、一緒に帰りましょう高田さん…シャワーも浴びたい事ですし…」

ニッコリと笑った修子ちゃんの顔を見て、高田さんは目から涙をこぼすと、修子ちゃんを抱きしめた…って、お〜い…

「やですね〜高田さん、本物ですよ私。ゆーれーじゃないから安心して下さいね〜」

ふふふと楽しそうに笑う修子ちゃんは、修子ちゃんであって修子ちゃんでないような…

「…ハル…今の戸川先生は前世とのシンクロが起こってて、ほぼ大魔法士ルド状態だよ…タチ…悪い…」

「え？そうなの？深谷君」

嫌な事でも思い出したのか、深谷君が眉間にしわを寄せながら答えてくれた。