海の花は雪
気づくと、修子ちゃんにへばり付いて放れない高田さんの姿があった…

お〜い…こんな時じゃなきゃ、セクハラですよ〜?いい加減に放れなさいって…

背の高い高田さんが、後ろから153センチの修子ちゃんを抱き抱えている様子は、何だか親子のように見えなくもないけど…

実際、年も離れているし…

今は、ルドっぽいし…ま、いっか…

そう納得すると、自分は深谷君を目で探した。

先に書庫に戻った深谷君は、スタスタと書庫の出口へと向かって歩いていた。

「…山形さんも…いい加減に覚醒して下さいよ、重いし暑いし…」

自分は、おんぶお化けのように背中に乗っかっている山形さんに向かって言った。

反応はなく腕が脱力していて、自分の胸の前でブランブランしている…

「仕方ないな…」

山形さんと自分の荷物を肩にかけると、山形さんを背負いながら、皆の後を着いて図書館を出た。
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