海の花は雪
用務員室に戻ってみると、ちょっとスゴイ事になっていた。

「え…いつの間に？」

高田さんがせわしなく動き回って、麦茶やら皿やらハシをちゃぶ台に並べていた。

「お帰りなさい。まだ来ていない物もありますが、食事にしましょう」

ニコニコ笑いながら、ちゃぶ台の席をすすめる高田さんは、いつもの高田さんに戻っていた。

「これは本当に、我々で食べるのですか？」

ちゃぶ台の上に並べられたピザの枚数を見て、覚醒した山形さんが質問した。

「ええ、そうですよ？ちょっとお若い人には、足りませんでしたかね？てんやものですが、この後、カツ丼とソバとラーメンが来ますから大丈夫かと…」

「いやいや、高田さん、これで充分ですよ、ははは…」

山形さんが、Ｌサイズのピザ五枚がズラリと並ぶ光景をまぶしそうに見て言った。

五枚…つまり一人一枚か…一度やってみたかったんだよね〜ちょっと楽しいな〜これ…

そんな事を思いながら深谷君を見ると、もうすでにお腹いっぱいになったみたいな顔をしていた。
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