海の花は雪
「うん、不思議だよねー?なんでだろ?でも助かるよ」

そう言えば海底人はテレパシーで会話をしているって、書いてあったような気が…いや、今はそんな事より時間がもったいない…

タイムリミットは確か一時間…どこまで陸に近づけるかが勝負だ。

そう考えながらも自分の中で、もう大丈夫だという思いがあった。

「…ハル、もう少しすると、そうじが始まるから。外に出れると思う…今、何時?」

「え?そうじって?ま・いいか。今、10時45分ちょっと前だよ」

地上時間は、だいたい午後2時過ぎか…

時計が壊れてないという事は、それほど深い場所ではないのだろう…

しかし、ハルの時計がムダにダイビング用で良かった。

前ぶれもなく、巨大な窓が音も立てずに、左右に開きはじめた。

「わぁー開いたよ…すごいなー」

「…この後、押し出されるから気を付けて、ハル…イース流に言うと大そうじらしいから、このシステム…」
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