海の花は雪
「思い出したのは、ついさっきなんですよ〜?ところで彼らが戻って来る前に、移動しないと…」

先生は立ち上がって部屋を見渡すと、出口を探した。

「ここは、どこに当たるんですか?研究所の…」

「ドームの中央に位置する、研究室の本体です…懐かし〜ですね〜あの頃のままですよ〜」

「…自分達はどこから、この部屋に入ったんですか?」

「それはそこですよ…その丸いテーブルの真ん中からです。水圧で一気に、地下の通路から押し出されたようですね〜私も気づいたら床に転がっていた感じで、良く覚えていないのですがね〜」

そのテーブルが、秘密の出入り口になっていたとは…

先生は良く知った研究室の中を歩いて、二つある扉の一つを開けた。

ボンヤリとだが、覚えのある部屋の構造を思い出す…

「動けますか〜?」

「はい…」
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