海の花は雪
「何?深谷君」

「…どうやってハル達は、研究所の中に入ったの?」

「え?」

その場にいた全員が、盲点を突かれたように声を上げた。

「そう言えば、すっかり忘れてた…戸川先生、深谷君、あの研究所のID登録してあったのって、誰ですか?」

僕は古い記憶をたぐり寄せていく…確か、ルドにイースにロイズに…

「そうですね〜とりあえず三本柱の面々と、ロイズだと思いま…」

そこまで言って、さすがの先生も不思議そうに首を傾げた。

「…皆さん、どうやって、中に入られたんですか?」

逆に先生から、質問が返ってきた。

「…高田さん…」

僕とハル君は、高田さんを見つめた。

訳が分からず、高田さんはキョトンとしている…

「え…?」

事情が飲み込めていない先生も、不思議そうな顔をして高田さんを見つめた。

「高田さんが、どうかしたんですか?」

「…高田さん…あなたは、いったい誰なんですか?」

「ええ?」

高田さんと戸川先生の声が重なった。
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