海の花は雪
「ここに、イースがいたら完璧ですね、先生」

高田さんが、怖い事を言い出した…

「ええ〜本当に…山形さんも、お母さんに再会してみたいですよね〜?探してみましょうか?ついでに」

「いやいや、先生…僕はお父さんだけで、充分ですから〜」

「私も前世の記憶とやらを、思い出したいですね〜」

高田さんが、ニコニコしながら言った。

「…でも、これで深谷君の手首は、元に戻るんだよね…」

ハル君が、しみじみと呟いた。

それを隣に座っていた深谷少年が聞き逃す事なく、ハル君を見上げて…

「…ハル、ありがとう…」

と、言った。

二人が見つめ合うと、まるで恋人同士に見えなくなくもない…



「では、今日はこの辺で、お開きにしましょうかね〜?」

戸川先生が時計を見ながら言った。

時間はすでに9時半を回っており、その場で解散する事になった。
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