海の花は雪
全ての外壁が開き終わると…いきなり、ものすごい勢いで部屋の外へと海水ごと押し出された。

「わぁ〜〜〜?!」

とっさにハルが手を伸ばし、自分を抱きかかえてくれたので、はぐれずにすんだ。

「…ありがとう、ハル…」

「いいえー大丈夫?…で、どっちに行こうか?深谷君」

広大な海の中へと放り出された自分達は、改めて広大な海の中を見渡した。

ガラス越しではない本物の海は、限りなく青く澄んでいて、カラフルな魚達が通り過ぎて行った…

その時、大きな影がかかり、目の前が暗くなった。

ゆっくり見上げると、大きなエイが数頭群れをなして、頭上をせん回していた。

「すごい!エイの群れだー…キレイだなー深谷君」

目を輝かせながらハルは…自分もだけど、エイの群れに見とれた。

するとエイはゆっくりと、せん回しながら自分達の近くまで降りて来て…

そして、言った…
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