海の花は雪
「じゃあ、決行は明後日という事で…すみませんが、高田さん、よろしくお願いしますね」

戸川先生が用務員室を出て行く時に、改めて高田さんに頼んだ。

「はい、喜んで。戸川先生、お気をつけて…皆さんも気をつけて、お帰り下さいね。お休みなさい…」

高田さんが、用務員室の外まで見送ってくれた。



高田さんに手をふりながら、僕らは夜の校舎を歩き始めた。

外はムシムシと蒸し暑いけど、頬をなでていく海風が気持ちいい…

夜空を見上げると、十三夜の月と星がきらめいて、暑さを忘れさせてくれた。

「先生、お車ですか?」

「ええ〜山形さんは、今はどちらに滞在ですか?」

戸川先生と並んで歩く後ろから、ハル君と深谷少年がゆっくりと歩いて来る…

「ハル君のアパートに、居候させてもらっていますよ」

「ふふふ…そうですか〜楽しそうですね。男の人達で、ワイワイなさるんでしょうね〜今夜は…」

「先生も、いらっしゃいますか?」

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