海の花は雪
「ハル君いい所に気がついたな〜確かにその可能性は、ゼロじゃないと思うよ?」

「でしょ?高田さんの記憶が戻るまで、断定出来ないかな〜って」

ははは…と笑うハル君の声が、夜の校舎に響いた。

隣で眉間にしわを寄せて深谷少年が、その考えに異を唱えた。

「…自分は絶対に、それはないと思う…」

「え?どうして?」

「あんな風に笑うイースがいたら、不気味だから…」

シーンと、その場が静まり返った…

夜に鳴くセミの声が、いんいんとしている…

「…それは、ものすごい説得力ですね〜深谷君…私もイースは生まれ変わっても、高田さんのようなキャラになるとは思えませんよ…まず、ありえないですね〜」

先生は、とても楽しそうに言い切った。

いったいイースって、どんだけ笑わないキャラなんだろう…?いや、僕も全く同意見なんですけどね〜

「なるほど〜確かにイースが笑うよりも、天変地異が先って気がするな〜」

ハル君…君、イースに溺愛されてたよね、前世で…
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