海の花は雪
あれから…

僕はフレアとの約束をちゃんと守り、この国に帰って来た…

そんな僕を、フレアもロイズも笑顔で迎えてくれた。

ちゃんと帰って来た…来たけれど、1・2年で帰って来る事はなく、赴任先での仕事は多忙を極め…

いつの間にか、家族も増えて…気づいたら何十年も時が過ぎていた…

結局、実際帰って来たのはつい最近で、言い訳をする言葉なんて、さすがに一言も出なかった…

そんな僕に向かってフレアは、ある提案をしてきた。

僕が賛成すると、フレアは嬉しそうに言った。

「じゃあ、決まりね。楽しみだわ〜」

穏やかな笑みを浮かべたフレアのそばに、ロイズがひっそりとたたずんでいた…



軽やかに何かの歌を口ずさみながら、目の前を歩いて行くフレアの向こうに、懐かしい風景が広がり始めた…

海に突き出た崖の上には、秋の花が風にゆれ、広大な崖の先には、青い空と海が広がっていた。

…海底に住んでいた幼い頃…良くフレアとロイズと一緒に、ここへ遊びに来たっけ…
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