海の花は雪
「ユラ、例の物は持って来た?」

「うん、バッチリ!」

僕らは、外にテーブルとイスを出して昼食を取ると、フレアが紅茶を入れてくれた。

「ふふふ…」

「ところで、いつ掘り起こすのさ?」

「そうね〜いつにする?ユラ…そこまで考えてなかったわ…」

しごく真面目な顔をして、フレアが言った…

「まぁ、いいけどさ〜いったいどこに埋めるの?」

「あ・そ・こ」

と言って、フレアが指差したのは…

「え?家の中?」

論より証拠だと言って、フレアは家の中へと僕を連れて行くと、一つの扉の前に立って「ここよ」と言った。

「ええ?まずいんじゃない?うっかり扉を開けたりしたら、研究所に行っちゃうんじゃない?フレア一人じゃ、帰って来れないでしょ?」

「それは問題ないわ、試しに開けてみて」

「?」

言われるままにノブに手をかけると、扉を手前に引いてみた。
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