海の花は雪
うわ〜僕らが知らない所で、ロイズって苦労していたんだな〜

「…ロイズって苦労人よね…」

フレアが、双子水晶の入ったキレイな箱を抱えながら、はぁ…と、ため息をついた。

「…」

ロイズは眉間にしわを…昔よりも深く寄せている…

しわに、その人の人生が刻まれるって言うけど、本当だなぁ…



「…そろそろ、いいだろう」

ロイズの一言で、土を掘り返す作業が終了した。

「はぁはぁ…深いな〜これ掘り起こすの大変だね」

「念には、念をだ…」

「お疲れ様、二人とも…」

スコップを地面に刺して汗をぬぐうロイズと、座り込んでしまった僕に、フレアがねぎらいの言葉をかけてくれた。

「老体にムチ打ってって、こーゆー事をゆーんだね…」

「うわ〜ユラ、自分で老体だと認めるなんて…ずいぶんジジイになったのね〜」

フレアが、からかうように言うと、タオルを手渡してくれた。

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