海の花は雪
「…フレアがフレイヤースの最後の王であった証を、埋めてしまってもいいの?」

僕はその箱にふれながら、もう一度フレアにたずねた。

「ええ…本当は、とても手放したくないのだけれど…」

そう呟いて、ナゼかフレアはロイズの顔を見た。

「…じゃあ、埋めるよ…」

ロイズは小さく言うと、箱を静かに掘った穴の中に置いた。

フレアが見守る中…僕とロイズで土を元通りに返してタイムカプセルを埋め終わると、僕らはしばらく埋めた場所を眺めていた…

゙いつ開けようか…?゙

何て、普通なら出るハズの当たり前の言葉を誰も口にしなかった…

゙いつか…゛

そんな事を思っていると…

突然、フレアが思い切り良く立ち上がってロイズを見ると、言った。

「ロイズ、これでロイズは自由だわ…今まで女王の私に付き合ってくれて、ありがとう…寂しいけれど、私にロイズを引き止めておく口実が、なくなってしまったわ…」

「…フレア?何を…」

「…ロイズは…自由よ…」
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