海の花は雪
「これは心外ですね〜生島君、本心ですよ〜本心?」

「本心?で、可愛いらしく疑問符付けるのやめてよね、修子ちゃん」

「ほほほほ…」

「はぁ〜まぁ何はともあれ、終わりましたね〜皆さん、お疲れ様でした〜」

山形さんが陽気に言って拍手をすると、自分もつられて手を叩きました。

何だか手を叩いていると、幸せな気分になるのは私だけでしょうか…?

「そう言えばこの本、どうするんですか?」

山形さんは、あぐらを組み直すとリラックスした様子で、誰ともなくたずねました。

皆さんの視線が、ちゃぶ台の上の一冊の本に集まりました。

「そうですね〜どうします?深谷君」

戸川先生が可愛いらしく腕を組むと、深谷君にたずねました。

「…とりあえず、図書館に戻して、文字の復旧をしておいた方がいいと思います…」

「ですよね〜」

「それと、どうして文字が消えたのか、原因を調べておいた方が、今後何かあった場合、役に立つかと…」

「ですよね〜?」
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