海の花は雪
「あ!安心してて、すっかり忘れてた!」

突然、山形さんがちゃぶ台に身を乗り出すと叫びました。

「ど、どうしました、山形さん?何か問題でも?」

私はビックリして、ドキドキしながらたずねました。

「あ、いえ、そうなんです!実は仕事がまだなんですよ!」

「え?」

「皆さん、ぜひぜひ前世の記憶で思い出した事があったら、教えて下さいね!!」

「は、はい、分かりました」

その気迫に圧倒されて、思わず答えていました。

「話せる範囲でしたら…」

ふふふ…と微笑んで、戸川先生も答えました。

「山形さん、必死ですね〜」

生島君が感心して、腕を組みました。

「当然だよ、ハル君〜君だって、続き知りたいでしょ?」

「…山形さん、書く時は内容教えて下さいね…」

素直にうなずいている生島君とは対照的に、暗い顔をした深谷君が、ボソリと呟きました。

殺気めいたものを感じるのは、気のせいでしょうか…?
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