海の花は雪
「あ〜では、ご馳走になります」

山形さんはサイフを引っ込めると、丁寧にお礼を言いました。

「ご馳走様でした…」

学生組も少し遠慮がちに、お礼を言ってくれました。

「いえいえ、私の方こそ、ありがとうございます…こんなににぎやかな食事は久しぶりで、とても楽しかったです…」

何気なく言った一言で、皆さんが固まったのは気のせいでしょうか…?

「あ〜えっと、また明日も来ていいですか?高田さん…色々お話聞きたいので〜」

山形さんが大きな手ぶりを入れながら、言いました。

「あ、はい、もちろん喜んで…お待ちしています」

「オレも来ようかな〜海底探索とかしたいし…深谷君もどう?」

「いいよ、ヒマだし…」

「私、明日は出勤なので、お昼をご一緒してもよろしいですか?」

戸川先生が可愛いらしい笑顔で、たずねてきました。

「はい、喜んで…!」

皆さんの優しさが身にしみて、また涙腺がゆるんでしまいました…

どうも年を取るとダメですね、涙もろくなってしまって…
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