海の花は雪
「たぶん…君が前世の記憶を思い出さない理由って、その辺にあるんじゃないかな?」

「え…?」

「フレアはさ〜結局、生涯独身で過ごすんだよね〜ロイズも結婚しなかったし…」

「そう…なんですか?」

「うん…」

いずれバレてしまう事実を口にして、自分はどこかホッとしていた。

…いつまでも黙ってたって、しょうがないでしょ?少年…

「そっか…」

ハル君はボンヤリと物思いにふけるように、視線を落とした…

やっぱりハル君にとって、その辺の事実というか記憶の中に、何かがあるみたいだ。

まぁ、ムリはないか…

そんな理由で、好きな人と結ばれなかったんだから…

それってやっぱ、すごいショックな事なんだろうなぁ…

ん?いや、ちょっと待てよ?ならどうしてハル君は、男に生まれて来たんだろう?

まぁ、深谷少年が女性でもいいんだけどさ…

何かにとらわれているのは、ハル君のような気がするな〜

何て…
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