海の花は雪
さらに遠慮のない先生の言葉が、少年にダメージを与えた。

「…で?思い当たるフシは?」

僕と先生の声がハモった…さすが前世は親子だな〜

「…ありませんよ…」

苦渋の表情を浮かべて、深谷少年は顔を背けた。

「ほほほ…ついうっかりロイズのつもりで、深谷君をイジメてしまいましたね〜」

「や〜ごめんごめん深谷君、これはやっぱ、ハル君に聞かないと分からないよね〜」

「聞いたら殺ス…」

「へ?」

あまりの殺気に、僕は顔がこわばった。

「ほほほ…」

先生…何か教育的指導はないんですか〜?スル〜?

「しかし…困りましたね〜生島君のメンタル面が心配です…それに高田さんにも、そろそろ戻って来て頂かないと…」

先生は微笑すると、高田さんの目の前で手をヒラヒラさせた。

「高田さんは、心配じゃないんですか?」

好奇心にかられて、質問してみた。

「もちろん心配ですよ〜?でも陛下に関しては、かなり自業自得の面が大きいですからね〜?そろそろ向き合って頂かないと…」

ほほほと、優雅に笑う先生の後ろに、魔的な物を感じたのは気のせいかな〜?
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