海の花は雪
「だってさ、夢の中で深谷君は、誰かの中に入った視点だったんでしょ?なら…」

「ロイズは、自分である可能性が高くて…つまり、自分の前世は、ロイズかもしれない…?」

まるで人事のように、淡々と深谷君は呟いた。

「ご名答!そう考えるのが自然だと思うよ?魔法が使えたのは、深谷君だったしね!」

「…ハルも使えるかもしれない…」

「いや〜試しにやってみようか?」

「こんなビックリ人間は、一人で充分だよ…それよりハル…じゃあ、ハルは誰なんだろう?」

深谷君の黒い瞳が、真直ぐに自分の瞳をとらえた。

自分の瞳の奥に、オレの前世が見えてるんじゃないかと思うぐらい、真摯な眼差しが向けられ…

何となく吸い込まれるような気がして、自分からその視線を外した。

いったい、どれくらい見つめ合っていたのだろ…?考えると恥ずかしくなる…
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