海の花は雪
「これがあり続ける限り、消す方法を探さない訳にはいかない…どうして消えないのか、謎を解かないと…」

「だよね?扉の向こうが、海底につながってなかった事の一つや二つ、気にしちゃダメだ…それを引っくるめて、こうなったら意地でも、片山ススムに会うしかないな」

深谷君が、コクリとうなずいた。

左手首の包帯を、右手が強く握りしめている…

スッと深谷君は静かに立ち上がると、肩にかけていたリュックからサイフを取り出した。

「?」

「…ハルは何飲む?買って来るけど…」

「え?」

「お昼…お母さんが、ハルの分まで持たせてくれたから…」

「え〜本当?いいの?嬉しいな〜ありがとう。じゃあ一緒に行こう」


ひとまず謎解きは後にして、深谷君のお母さんが用意してくれたサンドイッチを囲んで、お昼を取る事にした。
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