海辺で恋するシンデレラ
10.嵐は突然に
そんな、甘くて激しい夜を過ごした数日後
事件が起きた――――――――
波瑠さんが私のアパートに泊まってから
時々、私の家に波瑠さんがくる様になった。
もちろん、泊まって行く時もある。
今朝、連絡があって今日は私の家に行くからって
言っていたから、今夜は私の家で料理を作る。
2人分の食材を買い込み、アパートに帰ってくると
玄関口で、1人の綺麗な女性が立っていた。
そして、その人は迷わず私のところに来て・・・
「あなた、神崎海桜さんよね?」
「は、はい・・・」
「単刀直入に言うわ。波瑠と別れて。」
「はぃ?!」
な、な、な、何をこの人は言ってるんだろう?
ていうか、この人。いったい誰?!
「と、とにかくココじゃご迷惑になりますから。中に入りましょう。」
「そうね。」
さも当り前と言う顔で、私に付いて玄関ホールを入り
部屋へと続く、廊下を歩く。