海辺で恋するシンデレラ
嵐のように過ぎ去って行った彼女。
その衝撃は凄まじいもので―――――――
私は、しばらくそのまま動けずにいた。
婚約者・・・
波瑠さんにとって、私は遊び相手・・・
あの笑顔も、言葉も全て嘘なの?
私、騙されていた?
不意にいつかの、橘さんの言葉を思い出した。
≪自分の心配をした方が良いと思うよ≫
ははっ・・・なんで、こうなるのかなぁ・・・
ずっと前から気になっていたって・・・好きだったって言われて
私も、ずっと気になってて
まるで運命みたいだ、なんて有頂天になって
バカみたい―――――
もう、ヤダ・・・・・・
その日、私は波瑠さんに
【急用が出来て、今日はお料理作れないから。また今後にしよう】
ってメールを送った。
電話だと、泣いちゃいそうだから。
泣いちゃうと、波瑠さんに心配かけるから。