海辺で恋するシンデレラ
「あのね・・・」
私は、亜紀に全てを話した。
会わなくなってから、今までのこと。
波瑠さんと付き合うようになって、幸せだった事
部屋の合鍵をくれた事。
それから、橘さんにあって謝罪を受けた事。
それと同時に、波瑠さんに婚約者がいると聞いた事。
そして、婚約者という女性から波瑠さんと別れて欲しいと言われた事。
「藤堂さんは?何て言ってるの?」
「波瑠さんには・・・聞いてない。」
言えないよ。
だって、聞いたら・・・
私は、遊びだったなんて聞いたら
私・・・立ち直れない。
黙って俯いたままの私に、亜紀は笑って言った。
「ばっかねぇ~。聞かなきゃ分からないでしょ?だいたい、あんたにベタ惚れしてるあの藤堂さんよ?婚約者っていう女も怪しいもんだわ。」
そういうと、グビッとビールを一気飲みした。