海辺で恋するシンデレラ

「そんなに笑わなくても・・・」

リビングのソファに座り、いちごラテをすする。

「ごめん、ごめん。でも、海桜の心配する事はないよ。確かに会社の常務に気に入られちゃって、娘の婿にって言われているけど・・・俺には海桜がいるし。断ってるから。」


そうハッキリ言ってくれた。


なんだか、胸のつっかえが取れたみたいに

全身の力が抜けた。



良かった。

私、波瑠さんとこのまま一緒に居られるんだ。

その事が、何より嬉しくて涙が出た。



「何で泣くの?もう、海桜の泣き虫ぃ~」

「だってぇ~」


波瑠さんは、ヨシヨシと頭を撫でながらフワッと抱きしめてくれた。


「あ~。じゃぁ、私帰るね。」


一緒にソファに座って、成り行きを見ていた亜紀が

立ち上がる。


< 117 / 218 >

この作品をシェア

pagetop