海辺で恋するシンデレラ
「そんなに笑わなくても・・・」
リビングのソファに座り、いちごラテをすする。
「ごめん、ごめん。でも、海桜の心配する事はないよ。確かに会社の常務に気に入られちゃって、娘の婿にって言われているけど・・・俺には海桜がいるし。断ってるから。」
そうハッキリ言ってくれた。
なんだか、胸のつっかえが取れたみたいに
全身の力が抜けた。
良かった。
私、波瑠さんとこのまま一緒に居られるんだ。
その事が、何より嬉しくて涙が出た。
「何で泣くの?もう、海桜の泣き虫ぃ~」
「だってぇ~」
波瑠さんは、ヨシヨシと頭を撫でながらフワッと抱きしめてくれた。
「あ~。じゃぁ、私帰るね。」
一緒にソファに座って、成り行きを見ていた亜紀が
立ち上がる。