海辺で恋するシンデレラ

「え?亜紀が帰るなら、私も。」


私も立ち上がろうとしたけど、亜紀に肩を抑えられ

波瑠さんの胸の中に押し戻された。


「海桜は、藤堂さんと一緒にいなさいって。」

「あー、亜紀ちゃん。こんな遅い時間に女の子1人で帰す訳に行かないから・・・ちょっと待って。ボディガード呼ぶから。」


波瑠さんは、携帯を操作してどこかに掛ける。



15分後、チャイムが鳴った。

そして、部屋に入るなり彼は不満を言った。


「お前ねぇ。こんな遅い時間に呼び出すなよ。俺はお前の執事じゃねーんだぞ?」

「え?夏生さん?!・・・波瑠さん、ボディガードって夏生さんの事?」


驚いて、波瑠さんの方を見る。


「そうだよ。夏生なら安心だし、すぐに捕まるから。」

「こらこら、俺をタクシーみたいに言うな。」


悪びれずに言う波瑠さんに、冷静に突っ込みを入れる夏生さん。

本当に仲がいい2人だと思う。

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