海辺で恋するシンデレラ
「じゃぁ、亜紀ちゃんを頼むね。夏生。」
笑顔で、手を振る波瑠さん。
「チッ、仕方ねぇなぁ。行くぞ。」
悪態をつきながらも、優しく亜紀をエスコートする夏生さん。
そんな夏生さんを見て、ほんのり頬を染めている亜紀。
あれ?もしかして亜紀・・・。
いっか。亜紀が幸せであるなら。
私は、いつでも応援しよう。
2人が帰った後、シーンと静まった波瑠さんの部屋。
「さぁて、海桜?海桜には、お仕置きが必要かな?」
「え?え?」
「だって、俺を疑った訳でしょ?」
「いや、あの・・・ん・・・」
波瑠さんは、最後まで言わせてくれなかった。
優しくて柔らかい、唇で塞がれてしまったから。
その夜、波瑠さんは朝まで私を離してはくれなかった。
そして何度も「愛してる」「俺には海桜だけだから」
「何があっても俺を信じて」って言ってくれた。
だから、波瑠さんを信じよう。
そう強く思った。