海辺で恋するシンデレラ

彼の言った通り、正直なところまだ辛い。

見送った後、もう一度ベッドで寝る事にした。


目を覚ますと、陽も高くなり時計は12時前を差していた。

ゆっくり寝たお陰か、身体も大分良くなった。


波瑠さんが何時に帰ってくるか分からないけど

夕御飯を作って、待っていてあげようと思って

冷蔵庫の中を確認して、買い物に出掛けた。


そして、買い物を終え

波瑠さんのマンションに帰ってくると

何故か、あの人が待っていた―――――


「あなた。まだ、波瑠と別れていないの?買い物なんかしちゃって、何様のつもり?」

「わたしは、波瑠さんを信じます。」


そう。波瑠さんを信じるの。

そして、私も強くならなきゃ。


「そんな事を言えるのも、今のうちよ。私と結婚すれば、波瑠の将来は約束されるのよ?次期常務の座が待ってるの。あなた、彼の将来をダメにするの?もし、あなたが本当に波瑠を愛しているのなら、身を引く事も愛なんじゃなくて?」


私が、波瑠さんの将来をダメにする?

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