海辺で恋するシンデレラ
12.女狐の策略
≪波瑠side≫
抱えていた案件が無事、成立しホッと休憩室で
コーヒーを飲んでいた時
急に、常務から呼び出しが来た。
「チッ、何だよ。」
はっきり言って、この常務は好きじゃない。
自分の娘を押しつけてくるし、
何度も断っているのに、しつこい。
コンコン・・・
常務の部屋に入ると、そこには常務の娘の女が立っていた。
名前は・・・確か、麗華とか言ったか。
けど、俺にはこれっぽっちも興味がない。
だって、海桜がいるから。
「あ、波瑠さん。お久しぶりです。」
甘ったるい声を出して、俺に近づいてくる。
「これはこれは、常務のご令嬢である麗華さんが、どうしてココに?」
「もちろん、波瑠さんに逢いたくて。」
チッ、鬱陶しい・・・
それに、香水キツイ。気分が悪くなりそうだ。