海辺で恋するシンデレラ

そして3日後の朝。

彼女が目を覚ましたと連絡が来た。


ふと、彼女が働いているカフェの事を思い出し、そこに連絡した。


彼女の友人や両親が、連絡が取れなくなって心配しているかもしれないし

本人も不安になっていなければ良いけれど。


もっと早くカフェの事を思い出していれば良かったなぁ。

なんて事を思いながら、病院に駆け付けた―――――



病院に着くと、彼女は病室で1人

窓の外をボーッと眺めていた。


元気そうで良かった。彼女の横顔を見ながらホッとした。


「案外、元気そうじゃないか。」


俺が部屋の入り口でそう声を掛けると

彼女はゆっくり、こっちへ振り向いた。


「だれ・・・?」


小さく答えた言葉。

それでも、俺は彼女の声が聞けた事が嬉しくて

クスッと笑ってベッドに近づいた。

< 14 / 218 >

この作品をシェア

pagetop