海辺で恋するシンデレラ
そして3日後の朝。
彼女が目を覚ましたと連絡が来た。
ふと、彼女が働いているカフェの事を思い出し、そこに連絡した。
彼女の友人や両親が、連絡が取れなくなって心配しているかもしれないし
本人も不安になっていなければ良いけれど。
もっと早くカフェの事を思い出していれば良かったなぁ。
なんて事を思いながら、病院に駆け付けた―――――
病院に着くと、彼女は病室で1人
窓の外をボーッと眺めていた。
元気そうで良かった。彼女の横顔を見ながらホッとした。
「案外、元気そうじゃないか。」
俺が部屋の入り口でそう声を掛けると
彼女はゆっくり、こっちへ振り向いた。
「だれ・・・?」
小さく答えた言葉。
それでも、俺は彼女の声が聞けた事が嬉しくて
クスッと笑ってベッドに近づいた。