海辺で恋するシンデレラ

あ、そう言えば居たんでした。

すっかり忘れていました―――――


「すまんすまん。君達、居たんだね。」


あ、社長も同じ事を考えていたんだ。


「常務、今ので分かっていただけました？」

「何故だ？そんな何処の娘か分からん奴より、私の娘の方が気立ても良いし将来も、常務の椅子が約束されるんだぞ？」

「気立てがいい、ねぇ・・・。海桜に、いろいろ吹き込んで。別れさせようとした人がですか？それに、俺常務の椅子なんて欲しくありませんから。」


ピクッと片眉を持ち上げ、意地悪そうに言う波瑠さん。


「君、そんな事を本当に藤堂君や海桜さんに迫ったのか？」


相澤さんにも詰め寄られ、言葉を失う常務さん。


「それが、いけない事ですか？私と結婚すれば、波瑠さんの将来は安泰なんですよ？」


ピリピリした雰囲気が漂う中

悪びれることなく、声を上げる麗華さん。