海辺で恋するシンデレラ



「君、それは職権乱用だと分かっているのかね?」

「うっ・・それ、は・・・。」

「それに、藤堂君は君の手に負えるような奴じゃないよ。なんたって、この会社の創立者の孫なんだから。」

「「「えぇっ!!」」」


相澤さんの言葉に、波瑠さん以外の全員が驚いた。


「おや?藤堂君、海桜さんにも話していなかったのかい?」

「まぁ、追々話すつもりでしたけど・・・」

「ほう。ますます気に入った。どうだい、藤堂君止めてうちの息子にしないかい?」

「へ?いや、私は・・・波瑠さんがいいので。」

「小父さんと言えど、怒りますよ?」


波瑠さんの方をチラッとみると

顔は笑っているのに、目は笑っていない。

相澤さん相手に、本気で怒ってます。


「高倉君。ま、そういう事だ。これ以上、藤堂君と海桜さんに何かしようものなら・・・分かってるね?」


シュンと肩を落とした常務さんに

念押しする、相澤さん。


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